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手放しで絶賛できるのは第4話。本格的に実戦投入のドラゴンに急襲されるラニスター軍の、混乱した視点で撮ったカメラと淡々とスピーディーなカット切り替えとが素晴らしかった。デナーリス女王の平然とした度胸っぷりにも状況の凄惨さからは不思議と、胸がす…
高校時代に受けた友人の裏切りから立ち直れずに、数年のあいだ家から一歩も出ずに暮らしていた主人公(須賀健太の鬱屈演技が可笑しくも生々しい)が、どっきり企画のテレビ番組に翻弄されつつ、ずっと夢見てきた飛行機パイロットの資格試験に挑戦するか逡巡す…
30分枠という短さに不足(ゲストキャラクターがヤクザに追われるようになった詳細が省かれていたり)を感じることもいくつかあったが、原作の雰囲気を活かすことに関しては健闘していたし、主要キャラクターも外見にとらわれずイメージを再構築できていた点に…
先の第5章ではどことなく迷走の気配が感じられたため、不安の方がやや大きい状態で迎えた、初めての本国アメリカとの完全同時放送。結果は、期待以上という意味で予想を大きく裏切られた! 大河小説を原作としていることからくる文芸の仕込み(因果応報的なラ…
ケラリーノ・サンドロヴィッチによる掛け合いコントが毎回たっぷり楽しめる、これ以上なく笑える極上のドラマ番組だった。四十路一歩手前の、微妙な年代の独身女性を、微妙なままに映し出していた等身大ぶりもテレビドラマとして画期的だったと思う。美人女…
そろそろ広げた風呂敷畳どころを測る頃合いであり、その余波でもあるのか、少々焦りのある話運び(たとえば何の考えもなくドーンの王宮に侵入するジェイミー等)が目立ったが、原作からのテーマ描写(人々畏怖を誘うデナーリスのドラゴン騎乗がその真骨頂)を映…
NHK広島制作で、BSプレミアムにて放映された60分ドラマ。脚本は會川昇、演出は大橋守。短い尺ということもあり、基本はコメディ仕立てかと予測していたがそれは外れた。深刻さは意図的に回避しているものの、昔の人々の不見識を、鏡で向かい合ったように言い…
30分枠というドラマとしては短めな中で、30代はじめの女性が一人暮らしを始めたその空気感、宙吊りな気持ちを現実味をもって提示していた。五年も前に別れた恋人のアパートの部屋の前で無言で泣くという、自分の客観像があやしげな箱入り娘という主人公を、…
ドキュメンタリー風のカメラ使いで宴のさなかの“運命の瞬間”を追った第2話が顕著だったが、各話のディレクターごとの持ち味が活かされたシーズンだった。それにしても、『壁』での集団戦や、少年から大人の男へとジョンがたどる過渡期の瑞々しさと痛々しさの…
トータルで30エピソード視てきたわけだが、各話監督や脚本家の傾向がなんとなく分かってきた気がする。とにかく原作の空気を再現するディレクター、ヨーロッパ映画のように格調と余韻を付け足すライターなど、OPアニメ時にクレジットを確認するクセが付いて…
第一章よりも原作小説の展開を消化する速度が低くなっているので、登場人物たちの内面をいかにこまやかに表現しているかに、その回ごとの視聴満足感がかかっていたように思う。自分は第3話と第10話が特に面白かった。新キャラクターのキャスティングは相変わ…
各話ごとに人物ドラマ面のメインテーマが決められていたように思うのだが、視点人物を短い章ごとに変えていた原作の構成から、より映像作品向けへとアレンジされた見易さが生まれて、ストーリーを知っている既読者でありながら非常に物語に没入することがで…
1クール分の中で3話ほどは未見だが、まあ展開を理解できないほどではないということで視終わった感想など。 まずは企画の立地点が素晴らしい。漫画作品から登場人物が現実化してその作者自身(かまぼこ工場に勤める30代独身女性で趣味は漫画をノートに描き付…
原作通りではあるが、序盤ということもあって戦闘描写がほぼまったく無いために性交シーンがやけに目立ってしまっているのはお茶の間視聴にそぐわず少々難儀だった(笑) いや、それにしても。原作再現性の高さはものすごい安定したレベル水準。舞台美術のみな…
シリーズ通して印象に残るのは、犯人側の言い分、つまり殺人に至る動機へのバランスを取った共感の可能性についてのアプローチ。それが、ベッタリとした自己陶酔めいた後味を残さないのは、演出家の腕かなと思う。刑事ペアの掛け合いもテンポがよく、コメデ…
オカルトとSFとの判別しがたい要素が入っているという点が自分好みで、飯田譲治ドラマに特有な"都会に浮遊する匿名の悪意"というテーマもますますアクチュアルに感じられるはずなのだが、枠の意向のためかラブロマンス要素が最後まで足を引っ張った印象の不…
偏屈者で変人、それゆえに不思議なカリスマ性とずば抜けた推理力を持つ …という基本設定を現代に移しかえると、なるほどホームズは発達障害を持つゆえに突出した注意力と五感と直観(主に電子機器の読み取りで発揮されているのがアイデアとして秀逸)キャラク…
たぶん、数年ぶりに視ている連続ドラマ(現時点で第2話まで放映)。ずば抜けて作家性の強い飯田譲治が手がけるというのでなんとなく触手が伸びた。特定の人物の死んだ後の姿を幻視してしまうヒロインの内面が空疎なようなのが、これまでの飯田作品との違いだ…
(注:とはいいながらも中ほど3話ほどは視てません) ベムら、あんまり孤独じゃないのな。友人になれそうな知人家族が二組もいる。だけどその設定はおためごかしというよりも、視聴を続けてゆく上でのストレス軽減の配慮に思えるあたり、西田征史氏の手がけた…
身を入れて視始めたのは結婚展開からだけど、売らんかな気を引かんかなという目配せのない落ち着いたシリーズだったのは重畳。これまでもオンリーワンの世界構築と価値観とで伝説的存在だった水木しげるを、夫婦の二人三脚として新しい視点を啓かせた自伝エ…
(なんで謝っているかは、ピンとくる人にだけ分かれば良いです。) すらりとした美男美女の主演コンビは戦後間もない頃の昭和のイメージからほど遠く感じられたものの、いやいやお二人(向井 理と松下奈緒)ともなかなかの好演。原作既読ですが、松下奈緒は地に…
太宰治と太田静子の関係性を非嫡子である太田治子が追うという番組。下世話だが、手紙の欄外に脈絡なく「コヒシイ」と書いたり二度目の面会でいきなり「静子はもう一人じゃない」と言うとか、太宰の天然たらしぶりが半端なかった。作家志望だった静子の日記…
ファミリー劇場で全話視聴完了。諸星大二郎の原作から設定を変更している箇所もある-ヒロイン二人の性格がそもそもドラマ版では逆に思える-みたいだけど、雰囲気はそれなりに踏襲していて、なおかつテレビ媒体としての口当たりの良さを意識して作っているよ…
お盆あたりは終戦記念日も関係して夏の特別番組が目立つ時期ではありますが、その中でもやはりNHKのコンテンツ編成は気を吐いていた印象。以下、今夏のコマギレ印象メモ ・東京カワイイTV:これは深夜枠のレギュラー番組。外務省任命のロリータファッション…
やはり衛星波の方が高音の伸びなど、再現率が高くて視ていて盛り上がる。栗林みな実のアニメ声と歌唱力の高さの並立ぶりとか、水樹奈々とそのオーディエンスの響きあい等、もはやアニソンはJ-POPの一ジャンルとしての成熟と隆盛に到達したと考えて差し支えな…
すでに一週間前に放映は済んでいますが、『記録映像』パートでまだ録画消化していないものもある。けど構成上のブリッジとなる『宇宙世紀の歴史が動いた』(リュースケ・ヒカワの的確な解説もさることながらケイシ・ナイトウの見事なナビこそ本番組MVP)はじめ…
往年の名ドラマをイケメン二十代キャストでリメイク。なぜかアニメ枠で放映(プロデューサーの管轄関係か?)されているテレビ東京の深夜番組がネットでも期間限定で無料配信されるおーというワケで、浦沢義雄御大が脚本担当と聞いては手をこまねいてはいられ…
NHKドラマ「ツレがうつになりまして」の原田泰造のうつ病演技がなかなかすごいと思った。あと藤原紀香のほぼすっぴん顔に本気を感じた。原作の優れている点に忠実なんだろうけど、レジでお金を出すのにやたらもたついたり、外資系上司の現地採用なんて奴隷よ…
ご自分のオタク情熱という性(「来るべき世界」初版本の印刷の鮮明さに感じいったり、ポポーニャという金髪ヒロインへの萌えを語ったり)を、司会アナウンサーの数mm横にそらせた視線と女性アシスタントの長すぎるうつむけたまなざしにめげることなくぶちまけ…
4/4NHK-hiで放送。いがらしみきおの仕事場での映像を中心に、デビュー30周年を迎えるまでの軌跡をたどる。ヒット作といえるのは『ぼのぼの』一つだけという認識を持っていることや『ネ暗トピア』執筆時代につきつめれば社会的弱者をあざけっているようなギャ…