「ゲーム・オブ・スローンズ第7章」全7話視聴完了

手放しで絶賛できるのは第4話。本格的に実戦投入のドラゴンに急襲されるラニスター軍の、混乱した視点で撮ったカメラと淡々とスピーディーなカット切り替えとが素晴らしかった。デナーリス女王の平然とした度胸っぷりにも状況の凄惨さからは不思議と、胸がすくものがあった。が、全体に描写を急きすぎた印象はどうしてもあり、距離移動が速すぎたり、これまでは時間をかけて演出の要請のままに描かれていたドラマも、あっさり気味に終わってしまっていたのは勿体無い。とはいえそんな中、ずっしりと重厚感を醸していたのがサンサとアリアの性格が反対なスターク家の姉妹で、今まで通りな反発なようでいて深いところでお互いを理解しあい、それぞれの存在を認め合う姿を、そこからくる決意の選択の苦さも含めて表現しきっていたのは、うら若い女優たちの演技ふくめて実に見ごたえがあった。なお、色々不満はあったものの、最終話で劇中の伝説的キャラクターの具体的像を過去シーンで映してくれたサービス精神は、天晴れであった。まあ点をつけるとすれば100点満点75点といった感じ。最終シーズンを前に、王家それぞれの家族模様の総決算的な章といえそう。