2011-01-01から1年間の記事一覧

UN-GO episode:0 因果論

ありふれたといってもさほど離れてない生い立ちと巷によくいる基本的に善良ながら受動的な性質を持つらしき青年のモノローグと少年時代の回想場面から始まる序盤から、“自分探し”の海外への放浪に出るあたりまでは心象風景系日本映画の風合いだが、突然なが…

2011年アニメ視聴のまとめ

今年も、常時10番組前後を録画するという当たり年に。 まずは「STARDRIVER 輝きのタクト」。終盤はやや勢いが殺がれた観もあるんだけど、自己献身を許さずあえて痛みと冒険を、自身のみならず心を許しあった仲間にも強いるという思い切った最終話はやはり印…

衝撃の絵師 月岡芳年

衝撃の絵師 月岡芳年作者: 新人物往来社出版社/メーカー: 新人物往来社発売日: 2011/06/25メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (2件) を見る「魁題百撰相」や「月百姿」「和漢百物語」など代表作から万遍なくセレ…

今夜は久しぶりに月と星が、雲にまったく邪魔されず輝いていた。ずっと見上げてしまいそうになるほどの澄み具合。ついでに元旦も晴れてくれたらいいのだけど。

時間はだれも待ってくれない

時間はだれも待ってくれない作者: 高野史緒出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2011/09/29メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 17回この商品を含むブログ (25件) を見る旧共産圏から選ばれた現代SF/ファンタジー短編の数々。全体感想としては、遠未来の科…

2011年テレビシリーズアニメ話数単位10選

アニメ系ブログ界隈で流行っている企画に便乗エントリさせてもらいました。決まりごとは以下三点のようです。・ 2011年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。 ・ 1作品につき上限1話。 ・ 思いつき順。順位は付けない。『[C] …

繁忙期真っ只中ながら、今年は仕事が比較的ラクなのです。

松井冬子展 -世界中の子と友達になれる- (横浜美術館)

植物のような死体、死体のような植物。内臓をさらけだし裳裾のように引く若い裸体の女。グロテスクなモチーフを、日本画伝統の典雅な技法であくまで審美的に画面に定着させるスタイルの一貫性と、画題の語彙の豊富さと連動するテーマの鮮明さ。これからいよ…

ドラマ「妖怪人間ベム」全10話視聴完了

TV

(注:とはいいながらも中ほど3話ほどは視てません) ベムら、あんまり孤独じゃないのな。友人になれそうな知人家族が二組もいる。だけどその設定はおためごかしというよりも、視聴を続けてゆく上でのストレス軽減の配慮に思えるあたり、西田征史氏の手がけた…

いまファンタジーにできること

いまファンタジーにできること作者: アーシュラ・K・ル=グウィン,谷垣暁美出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/08/20メディア: 単行本 クリック: 22回この商品を含むブログ (16件) を見る最近にル・グィンが講演したファンタジー論をまとめた一冊。…

「ぬらりひょんの孫 千年魔京」全24話視聴完了

終盤が近づくごとに作画の良さが加速して「百鬼夜行」というモチーフにふさわしい絢爛な画面が楽しめた。ネット上ではおもてだってあまり評価されていないながらも、実は全体レベルは相当に安定した作品だったのかもしれない。シナリオさばきとしても羽衣狐…

はい、引いた、今シーズン最初の風邪ひいたよー

「社会的うつ病」の治し方

「社会的うつ病」の治し方―人間関係をどう見直すか (新潮選書)作者: 斎藤環出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/03/01メディア: 単行本購入: 20人 クリック: 410回この商品を含むブログ (17件) を見る鬱病患者における過去(ざっといえば責任感が強く生真面…

I[アイ]

I【アイ】 第1集 (IKKI COMIX)作者: いがらしみきお出版社/メーカー: 小学館発売日: 2011/07/29メディア: コミック購入: 5人 クリック: 134回この商品を含むブログ (37件) を見る第1話を掲載誌で読んで以来手をつけた形だけど、思いもよらない方向(打ち捨て…

みなとみらい駅周辺は、港からの風が冷たかったです。これは15年ほど前にはじめて横浜に降り立った時と同じ印象だなー

戦う司書と世界の力

戦う司書と世界の力 BOOK10 (戦う司書シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)作者: 山形石雄,前嶋重機出版社/メーカー: 集英社発売日: 2010/01/22メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 152回この商品を含むブログ (49件) を見るシリーズ最終巻。総力戦の決着までの…

トモちゃんはすごいブス

トモちゃんはすごいブス(1) (アクションコミックス)作者: 森下裕美出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2011/09/28メディア: コミック購入: 5人 クリック: 25回この商品を含むブログ (13件) を見る第1話限定でネット公開されていた事から偶然出会った作品。…

師走のショッピングセンターは賑わいがあってワクワクしますなあ。

マルコヴァルドさんの四季

マルコヴァルドさんの四季 (岩波少年文庫)作者: イタロ・カルヴィーノ,セルジオ・トーファノ,関口英子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/06/16メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (22件) を見る20世紀半ばのイタリアの都会に住む子だ…

外天楼

外天楼 (KCデラックス)作者: 石黒正数出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/10/21メディア: コミック購入: 34人 クリック: 529回この商品を含むブログ (149件) を見る石黒正数の作品は初読だが、本書の感想に限っていえばとり・みきのパロディカルな作風を更…

なるほど、はてダイにおけるコメント機能はツイッターでいうところのDMのようなものなんですね。送信ありがとうございました〜

〈恥ずかしさ〉のゆくえ

〈恥ずかしさ〉のゆくえ作者: 菊池久一出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2011/05/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る哲学論である本書の最大のテーゼは「『廉恥』と『羞恥』は区別され得るものか、そして前者は後者に倫理上で優位に立…

UN-GO #4「素顔の家」

前後編に分かれたエピソードの事件解決編で、短い尺に詰められた推理と風刺のバランスが最高にスマートな回。人権を持たないゆえにあらゆる欲望をその義体へ実行できる人工知能R.A.I。その開発者であり自らも耽溺している佐々駒守が弁する「人工知能を好きに…

二週間以上更新がなかったとは。ブログテクスト打ちのリズムを忘れてしまいつつあるのかもしれない。

輪るピングドラム#17「許されざる者」

地下駐車場で対峙するゆりと真砂子のやりとりが良すぎる。「世界の半分しか見ることができない生娘」、「消費されつくして三流グラビア誌がお呼び」と声を荒らげずに直截に言葉の矢を放つ静かなキャットファイト。リズムを整えた脚本もさることながら、能登…

0円ハウス

0円ハウス作者: 坂口恭平出版社/メーカー: リトルモア発売日: 2004/07/10メディア: ペーパーバック購入: 2人 クリック: 116回この商品を含むブログ (14件) を見る姉妹書の関係にある「TOKYO 0円ハウス 0円生活」よりも刊行順が先になるが、こちらの写真集を…

TOKYO 0円ハウス 0円生活

TOKYO 0円ハウス0円生活作者: 坂口恭平出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2008/01メディア: 単行本購入: 12人 クリック: 147回この商品を含むブログ (36件) を見る早稲田大学建築学科に在籍中だった頃から、既存の家屋設計や都市計画の非柔軟性に疑問を持っ…

秋の月はいいですねえ。特に未明の西にかかったぐらいが佳い。

UN-GO

設定やモチーフのなにもかもに必然性を感じられないが、最初に見切るほどつまらなくないのが會川昇シリーズ構成アニメの困るところ。なぜタイトルが坂口安吾の筆名から採られているのかも釈然としなければ(原作を読んでみたがキャラクターも名前以外は変えて…

ギルティクラウン

ラノベ原作じゃないのに実にラノベ調な脚本。モノローグ中の説明要素が多すぎて世界観の広がらなさにあまり興味が持てそうになく思ったが、主人公の少年が自己判断モラトリアムに区切りを付けて超常の力を得るクライマックスではそれまでの青臭い語り口がは…