「VISION 殺しが見える女」全12話視聴完了

オカルトとSFとの判別しがたい要素が入っているという点が自分好みで、飯田譲治ドラマに特有な"都会に浮遊する匿名の悪意"というテーマもますますアクチュアルに感じられるはずなのだが、枠の意向のためかラブロマンス要素が最後まで足を引っ張った印象の不完全燃焼ぶりだった。最高にモヤモヤしていたのは、ヒロインが休職刑事を必要とする意味は分かるんだけど、逆のベクトルがどうしても視ていておっつかない点。これは妖艶さやミステリアスさがまったくない山田優を主演としたミスキャストがいただけないという事でもある。相手役の金子ノブアキは回が進むごとに演技に濃さが出てまあまあ。うーん、そもそも飯田氏は女性主人公はあまり得意じゃないのかもしれないね。登場人物としては、ヒロインの所属するモデル事務所の社長をもっと終盤まで引張れなかったかなと惜しく思った。