「VISION 殺しが見える女」

たぶん、数年ぶりに視ている連続ドラマ(現時点で第2話まで放映)。ずば抜けて作家性の強い飯田譲治が手がけるというのでなんとなく触手が伸びた。特定の人物の死んだ後の姿を幻視してしまうヒロインの内面が空疎なようなのが、これまでの飯田作品との違いだろうか。いうなれば「悩む主体としての自分という実体感のないのが悩み」という具合。そこが今回の演出ポイントであると第2話の段階で掴めたので、グッとシリーズに引き込まれるのを感じた。そして、今後の展開に関係が深そうなヒロインと主人公との会話シーンの背景。そこにあるのは東京スカイツリーではなく、赤々とライトアップされて浮かび上がる東京タワー。飯田譲治一流の東京観に、やはりブレはないと嬉しくなるカットだった。