2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

2024年2月に観た映画

王国(あるいはその家について)(’23/監督:草野なつか) 実験的手法で二時間半はちょっと勘弁してほしかった。特に定期演奏会のあだ名ウケ繰り返しはキレそうになった。 人はどんな親しい間柄でも、まるで見えないカメラや観客が存在するかのように演技し…

2024年3月に観た映画

ボーはおそれている ('23 アメリカ/監督:アリ・アスター) 日々を送る中で予測を立てる時(こうなったらやだな)、(こうなったらパニック状態になってお手上げだろうな)と考えるにおぞましい状況が、この映画の導入でつるべ落としにやってくる。特にオー…

2024年2月に読んだ本

潜水鐘に乗って 潜水鐘に乗って 作者:ルーシー・ウッド 東京創元社 Amazon 試作という印象の短編が続いた後、ピントがぶれずにグリップを保った仕上がりのいくつかが後半に。『願いがかなう木』は娘にさえ老いを見せたくない母へ距離を縮めようとする繊細な…

2023年12月に観た映画

窓ぎわのトットちゃん('23 監督/八鍬新之介) 子供が二人、かたわれを手助けしながら木に登る。その木肌の荒くてしかしどこか親し気な手触り、陽ざしのやわらかさ。あるいは初めて大勢とプールで水遊びする時の、くぐもった音の響き方。世界へのどうしよう…

2023年12月に読んだ本

地球にちりばめられて地球にちりばめられて (講談社文庫)作者:多和田葉子講談社Amazon国境という区切りに沿う形で規定される言語とは何なのかというのは作者のメインテーマであるわけだが、その集大成的な雰囲気を感じるシリーズ第一作。日本という国が消滅…