ハイビジョンふるさと発「いま つたえたい ことば〜仙台・漫画家 いがらしみきお」

4/4NHK-hiで放送。いがらしみきおの仕事場での映像を中心に、デビュー30周年を迎えるまでの軌跡をたどる。ヒット作といえるのは『ぼのぼの』一つだけという認識を持っていることや『ネ暗トピア』執筆時代につきつめれば社会的弱者をあざけっているようなギャグ漫画を描くのが嫌になって以後の作品傾向が変わったという話、デビュー以前に家族間の軋轢でプチ家出、その後単身上京するが夢破れて故郷に戻ったことなど、いがらしみきおの作家像がコンパクトに見えてくるつくりのマイルドな雰囲気のドキュメンタリーでした。昼休みにわざわざ地下鉄を使って、社会の定点観測用に立ち食いそば屋に通っている様子や、かつての漫画仲間で現在は東京で電器店の経営者になっている旧友を訪ねる企画など、メディアでもやや知る機会が少ない中年期の漫画家の横顔が見られたのも印象深い。特に旧友のくだりは、いまでも私用サイトで有名人の似顔絵を更新し続けていたり、息子さんが漫画家を目指しはじめていたりといったちょっとしたこぼれ話がすごく面白かった。この人たち50代というのは、手塚治虫の登場に熱狂したマンガファン第一世代にあたるのだろうか? ちょっと勉強不足で分からないけど。あと、もう一つへぇーと思ったのが昨年末に連載終了した『かむろば村へ』が打ち切り宣告を受けていたということ。ビッグコミック編集部からの要請で時期をあらかじめ決めての掲載だと勝手に考えていたので意外でした。