「ゲーム・オブ・スローンズ」第三章全10話視聴完了

トータルで30エピソード視てきたわけだが、各話監督や脚本家の傾向がなんとなく分かってきた気がする。とにかく原作の空気を再現するディレクター、ヨーロッパ映画のように格調と余韻を付け足すライターなど、OPアニメ時にクレジットを確認するクセが付いてしまった。
今回の章では非常にショッキングな出来事が後半に用意されており、その描写の苛烈さは原作小説を上回るもので思わず絶句した。現代とはそうとうかけ離れながらも本質的には通ずるものがある乱世の時代の人々を、こうも主体的に描き出す作品も珍しいとまで感じる。たとえば、一瞬後にどんな惨劇に見舞われようとも、人間はやはり笑いもするし、愛しもするのだ。それが生き物という存在。
もう一つ、強く印象に残ったのはジェイミーがブライエニーにかつて護るべきだった王を殺した件の真相を告白するシーンで、自堕落に生きるようになった男が洗礼(混浴の場でふたりは会話するのだ)を受けて、騎士に生まれ変わることを示唆していると自分には思えた。