2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「つり球」全12話視聴完了

これまではなんとなく「中年の趣味」としか捉えてなかった釣りへの印象を、頭脳と感覚との両方を駆使するスポーツの1ジャンルとして塗り替えてくれたのはいいお土産になった。それともう一つ感心したのは、非常にさりげなく、下品にならないように細心の注…

「坂道のアポロン」全12話視聴完了

原作を最後まで描ききって終了したとのことで、やや駆け足気味だった箇所もあったが、その分、セッションシーンにたっぷりとリソースを注ぐことで印象を補っていた。地味ではあるが、文句のつけようがない傑作。ジャズスイングをアニメで表現したという意味…

暑くなると、アニメを視るのがしんどくなるようだ。線と面と(音と)の組み合わせをドラマ展開として脳内処理させるのがつらい?

CD

乙アーティスト: cro-magnon×Hyoge Mono出版社/メーカー: Jazzy Sport発売日: 2012/07/25メディア: CD クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る昨年、バンドメンバーの逮捕という不祥事により発売延期となってしまっていたアニメ「へうげもの」に寄…

ニーチェの馬('11/ハンガリー・仏・スイス・独/監督:タル・ベーラ)

これ、どこがニーチェと関係あるの?と思うこと一時間ほど。ようやく第三の人物として、近所のアル中老爺が、主役父娘に向かって哲学に神学が混じったような御託をのべはじめたので「なんとなくニーチェっぽいぞ!」とまるで救世主登場のような気持ちでワク…

連日暑いですね。せめて32度以下で止まってくれたら助かるんだけど。

「VISION 殺しが見える女」

TV

たぶん、数年ぶりに視ている連続ドラマ(現時点で第2話まで放映)。ずば抜けて作家性の強い飯田譲治が手がけるというのでなんとなく触手が伸びた。特定の人物の死んだ後の姿を幻視してしまうヒロインの内面が空疎なようなのが、これまでの飯田作品との違いだ…

邪悪なものの鎮め方

邪悪なものの鎮め方 (木星叢書)作者: 内田樹出版社/メーカー: バジリコ発売日: 2010/01/23メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 12人 クリック: 165回この商品を含むブログ (52件) を見るブログで発表された記事の中からセレクトされたエッセイ集。編集仕…

第六ポンプ

第六ポンプ (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者: パオロ・バチガルピ,鈴木康士,中原尚哉,金子浩出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2012/02/09メディア: 新書購入: 3人 クリック: 111回この商品を含むブログ (60件) を見る堅固な倫理感と、奔放な空想力と、誠実…

心境のささいな変化があってか、生身の人間が演技してるドラマをコンスタントに視るのが退屈じゃない時期がめぐってきた。今は父子もの「ビューティフルレイン」と無戸籍問題「息もできない夏」、犯罪オカルト「VISION 殺しが見える女」をそれとなく追っかけ…

トータル・イクリプス

垢抜けないキャラクターデザインが目を惹く。惹くというか… 海外発注に出すには都合がいいラインなのかなと思う(笑) テンポのいい初回で、陰惨さを予感させる雰囲気ながらストレスなく視られた。「サクラ大戦」のようなパラレルな歴史道程を辿った日本で、「…

グスコーブドリの伝記('12/監督:杉井ギサブロー)

主人公の心情が、フィルム上にしっとりと定着する前に場面が移ってしまうために感情移入がおもいのほか難しい。これなら、もっとストレートに家族愛や自然への畏怖を前面に出した方がよかったかもしれない。自己犠牲精神の是非や有無を鑑賞者に委ねる形にし…

手術後に複数の管に繋がれて集中治療室に寝かされた父を見た時は「このままでは退屈で死んでしまう」(両足の先はヒラヒラと常に動いていたし、書き物の台にした本をなかなか手放そうとしなかった)と本気で心配したものの、5日後ぐらいにテレビを視られる場…

「ZETMAN」全12話視聴完了

アクションアニメは作画が命であるので、色々と分がわるい面があるものの本作はリアル寄りなキャラクターデザインをよく動かしていた。ライター一人が全話の脚本を担当することで、話の筋が寄り道した印象もなく、原作が終了していない1クールアニメとして…

堕落論・日本文化私観

堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (岩波文庫)作者: 坂口安吾出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/09/17メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 24回この商品を含むブログ (59件) を見る坂口安吾のエッセイをセレクトして文庫本にまとめたもの。お値打ち感はあ…

ナボコフ全短篇

ナボコフ全短篇作者: ウラジーミル・ナボコフ,秋草俊一郎,諫早勇一,貝澤哉,加藤光也,杉本一直,沼野充義,毛利公美,若島正出版社/メーカー: 作品社発売日: 2011/07/30メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 59回この商品を含むブログ (12件) を見る心象スケッチ…

「Another」全12話視聴完了

主人公にとってははやくから異常な状況においての最も近しい「戦友」だったヒロイン・鳴ですらも「他人」であり通したし、それは視聴者からの主人公・恒一への距離感も同様。シリーズ通して“他者が他者であること”の不安と無気味さを描き演出しきったスタッ…

「LUPIN the Third〜峰 不二子という女〜」全13話視聴完了

1クールをも費やした壮絶な肩透かしを食らったダメージから一向に立ち直れない。まあ勝手に自分の中で“壮絶な過去を持つ不二子”像を組み立ててしまったのが悪かったのかもしれないが… だからといって、中盤からラスト直前までに構築した苦悩する不二子の姿…

何日か前にセミの声を聞いた気がした。ちゃくちゃくと季節は移っている。