週刊手塚治虫 ゲスト:富野由悠季

ご自分のオタク情熱という性(「来るべき世界」初版本の印刷の鮮明さに感じいったり、ポポーニャという金髪ヒロインへの萌えを語ったり)を、司会アナウンサーの数mm横にそらせた視線と女性アシスタントの長すぎるうつむけたまなざしにめげることなくぶちまける監督は、ほんとうに、強い戦士だと思った。この人はなにより自分と闘い続けてきたし、今でも闘いつづけてる…… などといった信者の思い込み妄言はさておき、案外にいろいろと発見があったのは、私が今まで、富野氏を手塚作品の遺伝子を継ぐ者だという意識を持っていなかったからだと思う。氏が初めて脚本(と演出もだったかも)を手がけたTVシリーズ鉄腕アトム」の『青騎士 後編』がまるっと放映されたのもポイント高し。雰囲気が似てるのは、ターンエーかな。しかし情念のにじみでるような陰のある人物演出は、当初からだったんですねえ。手塚治虫よりなお冥く、それでいてどこか突き抜けた風通しもあるようなそういう空気…