松井冬子展 -世界中の子と友達になれる- (横浜美術館)

植物のような死体、死体のような植物。内臓をさらけだし裳裾のように引く若い裸体の女。グロテスクなモチーフを、日本画伝統の典雅な技法であくまで審美的に画面に定着させるスタイルの一貫性と、画題の語彙の豊富さと連動するテーマの鮮明さ。これからいよいよ注目度が上がっていくと思われる画家の公立美術館での初めての個展。照明の強度も適度でじっくりと観ることができた。死の穢れを生のよすがの輝きに転じる彼女の作品を表装した掛軸が私もほしい…