輪るピングドラム#17「許されざる者」

地下駐車場で対峙するゆりと真砂子のやりとりが良すぎる。「世界の半分しか見ることができない生娘」、「消費されつくして三流グラビア誌がお呼び」と声を荒らげずに直截に言葉の矢を放つ静かなキャットファイト。リズムを整えた脚本もさることながら、能登麻美子堀江由衣といういまや中堅どころとなった人気声優の対決という裏構図やら、年齢差を補うべく花びら弾幕で真砂子をサポートする分身的ペンギン・エスメラルダの黒子ぶりなど、本作の基本演出レベルの高さが端的に顕われていて、そのシーンだけ思わず繰り返し再生してしまった。こんな抽象度が高くてそれに見合った作家性の強いアニメが毎週視られるなんて、ほんとうに奇跡的な僥倖に感じる。