UN-GO

設定やモチーフのなにもかもに必然性を感じられないが、最初に見切るほどつまらなくないのが會川昇シリーズ構成アニメの困るところ。なぜタイトルが坂口安吾の筆名から採られているのかも釈然としなければ(原作を読んでみたがキャラクターも名前以外は変えてある場合が多いし、事件のあらましも動機も違う)、坂本龍馬と同じ(かよく似た籠模様の)家紋を持つ事業家が殺された事件を「敗戦探偵」(勝海舟が存命中の明治初期が舞台モデルならどの戦後?)と名乗る人物が解決する事にどんな隠喩が嵌め込まれているのか等、どうにも自分には要素の数々が噛み合わないように見える。だがそれでもつまらなくはない初回だった。ポップなスタイルで全体を覆っているのがこれまでの會川脚本作品から異色に思えるからかもしれない。