0円ハウス

0円ハウス

0円ハウス

姉妹書の関係にある「TOKYO 0円ハウス 0円生活」よりも刊行順が先になるが、こちらの写真集を後に読む方がよりしっくり来る気がする。二冊をくびっぴきで引き合わせながら読まなくとも、取材ルポの意味合いのある各個説明の印象がとても強いので写真集の画像を目にすれば住民たちのプロフィールや撮影ロケーションが自然と浮かんでくる。また作者が自分でアイデアを出したというキャプションに英文も併記するというこだわりも、レイアウトの簡明さとともに芸術書として主張をしてくるのが実感できた。いわゆる社会弱者として解釈される事が多かった非定住生活者の自主建設を、アートに近い創意あるものとして見るフラットな視線。国外の読者にも強く訴えかける力があるように感じた。