アクションアニメは作画が命であるので、色々と分がわるい面があるものの本作はリアル寄りなキャラクターデザインをよく動かしていた。ライター一人が全話の脚本を担当することで、話の筋が寄り道した印象もなく、原作が終了していない１クールアニメとしては十分な健闘だったと思う。特異な生まれながら無駄に苦悩はせずに自然と状況に適応するという、これまでありふれていそうでいてあまり居なかった主人公キャラの人(ジン)、アニメ番組のヒーローに憧れる御曹司で苦労性な高雅、双方を見つめる役回りの小葉。三者三様が幼年期を葬送するほろ苦い結末は、テレビアニメとしてはけっこう異例の渋さ。丁寧に作られた佳作。
