「坂道のアポロン」全12話視聴完了

原作を最後まで描ききって終了したとのことで、やや駆け足気味だった箇所もあったが、その分、セッションシーンにたっぷりとリソースを注ぐことで印象を補っていた。地味ではあるが、文句のつけようがない傑作。ジャズスイングをアニメで表現したという意味では、単なる原作の映像化ではないとさえ言えるのでないかと思う。また、最終話の大団円に向けて一本道に構成されたスタンダードな物語展開が呼ぶ、視聴後の満足感の高さはちょっと他に並ぶものがない。恋愛と友情とを同じ比率で描く爽やかな按配も素晴らしかった。ここは、前々から小品の青春もので才能を光らせていた渡辺信一郎監督ならでは。