ナボコフ全短篇

ナボコフ全短篇

ナボコフ全短篇

心象スケッチ的な作品の割合が高くて、詩集のような感覚でも手許に置いておけそうな気がする。言い尽くせない恨みをユーモアで包み込む試みを思わせる「ロシア語話します」、O・ヘンリー的にきれいにオチる「クリスマス」、意地悪だけど等身大な老人たちの描写が飛びぬけて生き生きとしている「復活祭の雨」、ミステリとしての要素が魅力な「チョールブの帰還」、詩的な語り口が最高にビジュアリティな「ベルリン案内」が自分の好み。