戦う司書#2「爆弾と姫君と灰色の街」

脚本担当は猪爪慎一。最近目立つライターの中でも文芸派寄りの印象が特にあってそれとなく期待している一人。今回は初回のキャラ顔見せと対照的な、世界観紹介の色合いの濃いつくり。武装司書の中では正義感丸出しなヴォルケンの方が少数派である事、カルト宗教のような「神溺教団」の側にもそれなりに構築された理屈がある事(幹部キャラ・シガルはやや露悪的すぎた初回よりも数段深みのある描かれ方)、工業革命時のイギリスのような石炭採掘場がある事などなど。個別の描写では、ちょっとしたシーンなんだけど人間爆弾の一人が娼婦と同じ部屋にいたのが実在感というか生活臭があって良かった。まあ世界観開陳エピソードとはいったけど、キャラ描写の方もなかなかなもので、エグみのある表情付けとともに洗脳された敵組織末端の人間たちを瞬殺していくハミュッツの姿は相当に鮮烈。まるでケモノ…いや能力からいってすでにバケモノの域。朴さんの演技も凄みあっていいわあ。