戦う司書#17「帰還と出会いと燃えあがる緑」

新OPはアップテンポなサビを持つ曲に合わせて、また後半戦に突入した事も合わせて“燃え”演出が目立つ。見得切り演出がやや多くなったのは、演出・絵コンテ担当の中原れい氏(個人的にはOUTイラストレイターであり90年代OVAの顔の一つなヒト)の味。しかしこの期に及んで未登場キャラの多いこと。あと10話で描ききれるのだろうかと思ってしまった。なんならすぐに第二期発表でもOKっすよ。
本編は“ヴォルケンの逆襲”助走回と思わせてスタートダッシュかましてた。レナスが単なる悲劇のヒロイン以上の役割を持って再登場した上に活躍するとは。本筋以外でも、アイデンティティが複雑なもの同士でエンリケと語りあう事が多くなったとノロティの関係に揺さぶりをかけてくる予感の艶っぽさが付け加えられていたのが娯楽的でよかった。そして大原さやかのダブル人格演じわけは一聴の価値アリ。
正しいが生存優先権とイコールではない世界観の中、コミュニティに帰還した正義漢ヴォルケンは劇中の大多数の人に煙たがられ理解されない。そんな描写を重ねた後、ミレポックが思案する「彼が正しいと心が叫んでる」という自己分析モノローグにはグッときた。言ってしまえば、女性脚本家が書いたゆえにこそ女性声優が共鳴してできた演技レベルだと思う。