劇場版 創星のアクエリオン

OVA前後編を劇場用に編集したもの。勝ち組:やや理知的なアポロ、シスコンが抜けてウザ度減ったシルヴィア、シリウスポジションも微妙に持たされたピエール、色っぽいドレス姿お披露目セリアン(とぷかぷか浮いて移動するのが愛らしいアポロ二アス)、死に様がけなげになった音翅。負け組:いきなり戦死してるお兄様、(ネタバレるので理由は省くが)実は慢心してた麗花、シリアス基調なので存在感大幅減の司令、陰湿な同級生っぽくキャラ割り振られたつぐみとジュン、分かりやすくホモかつオネエっぽく小細工キャラにされた頭翅さま。…TVシリーズとはパラレルな関係(どこで枝分かれしたかは不明だけど、アポロニアスとセリアンのエピソード部分は共通していると思われる)にあるストーリーと冒頭で古文書スタイルっぽく説明して、なおかつその前に上映される形で添えられたコメディ基調のTVシリーズ番外編ともテーマを絡める面白い構成。作画レベルはイマイチだし、テーマ昇華ももう一歩足りてない印象であるけど、当時、リアルタイムでブレイクしていたであろう『創聖のアクエリオン エレメント合体ver.』をクライマックス演出に真正面から用いていたのは河森監督らしいメタなアイデアでけっこう気持ちが盛り上がった。しかしどうにもわからないのは、結局この作品においては自我生まれ変わり説が肯定されているのか否定されているのかなんだけど、この劇場版においてもしかり。個人的には否定の方向に傾いていると受け取るんだけど、しかしまぜかえし的描写が多すぎてなんともはっきりいえない。それが狙いなのかもね。