「牙狼(GARO)-炎の刻印-」 第7話『人狼 -SORROW BEAST-』

主人公が記憶を第三者の作為によって一時的に失いアイデンティティに惑うという定番といえる筋立てだが、『牙狼』という次元を超えたところからやってくる装備に、あたかも過去や未来はたまた違う世界線を目のあたりにする能力があると示すかのように、「ハーメルンの笛吹き男」や世界各地に存在する「人狼」伝承を思わせる出来事がレオンの前に連続して現れる(回をまたぐが、ザルバがレオンと語るときに背景となっているのが、アポロ13が到達した月面と見えるのも同様の趣向)。これはストーリーが紡ぐ人間同士のドラマと並行してシリーズ全体の設定を開陳しているという事かもしれず、その読みが外れてないとすれば、やはりこの作品は視聴者を信頼しているというか、なかなかに野心的な試みがテレビ番組としては為されている。…ただ、作画レベルと演出の踏み込みはいまひとつ足りてない観はあったが。