PERSONA - trinity soul - #7

「私という他者」:前回の内容について「クマ着ぐるみ(で子供をあやしていた)の方が諒の素顔で普段の署長の時が(社会学で言われるところのいわゆる)ペルソナ」というコメントをとあるところで見てその鋭さに感心した。公の前でかぶるはずの仮面にすぎないペルソナが、なぜ致命的な対決を起こす攻撃の権化なのかという本作の設定のねじれとともに、興味深い話ではある。そして今回はペルソナを奪われかかったせいで心が傷つき機能不全になってしまった被害者の後日譚。めぐみのペルソナお披露目の方は、ちょうどいい塩梅のサプライズになってましたね。過去に弟を交通事故で亡くした際に初めて発動した、と。そして失敗したことがトラウマになっている。…このエピソードは慎の両親と妹の身の上に起こった不幸の暗示にもなってそうな気がする。なんとなく。悠美を自殺へと誘った赤髪の少女は、民宿のおかみさんの旦那の船上の失踪にも関係してそうな、富山湾の住人らしい。人々の心の中の消滅への願望を引き出す存在? ところであの世界では黒部は峡谷ではなく海岸なんですね。地理的なモデルは氷見に思えた。全体的な印象としては、前半のコメディと後半のシリアスが高いレベルで調和していてしっとりとした後視聴感に仕上がってました。