PERSONA - trinity soul - #24

「贖罪の楔」:もうやめてスタッフ! 諒のライフは1クール前にとっくにゼロよ! いや、どんだけしんどいねん歳の離れた兄弟の長男はっつう話ですよ。いくらポテンシャルあるからって自分ひとりで抱え込みすぎ。というか言いたかないけど、両親が諒をかいかぶりすぎてた。まだ高校生だっつうのに… そんな自分ら自首するから後たのむとか言われてもねえ。そんでまた優しすぎるよね、この長兄は。特に感じたのはのっぴきならない電話での会話を立ち聞きする形になってしまったのを、自分から無難なフォローにまわるシーン。ため息出そうだったわ。というわけで。シリーズクライマックスといって差し支えない、10年前に富山で何が起きて、慎が何を目撃し、諒が何と何や何を自分ひとりで抱え込んでいたかが明らかになる回。叶鳴の命の灯が目前で消えた衝撃が、小松原(診療室での眼めっさオソロシス)のかけた催眠記憶封鎖を解いたようで、回想が終わった後での墓地休憩所での静寂さから、アヤネ登場でとどめの一言までの脱力するようでいて糸が張り詰めた雰囲気の演出が地味に絶品。アヤネは孤独からの脱出という妄執にもがきつづけているみたいですね。それをいえば、諒の孤独な奮闘も突然の家族喪失にもとづいた一種の固着観念に尽きるように思えてきたけど。ところで物語の解決の鍵となっているのは、慎の特殊ペルソナ能力なんだけど、今回描かれたショッキングな両親の死の顛末を見る限りでは、意にそぐわぬ形で吸収されるペルソナ(これ、無意識というよりも魂の寓意なんだな。なぜか今まで思い至らなかった)をそのくびきから解放する事ができるみたい。すくなくとも父親の魂は消滅直前に笑顔でうなずいていたように見えた。それにしても心を閉ざした慎にお前のせいじゃないと言い聞かせる諒の叫びの切なさよ。子安武人GJです。