2023年3月に観た映画

ベネデッタ ('21 ベルギー 監督:ポール・バーホーベン
異端審問というより現代法廷劇に近いテンポの二転三転する展開にハラハラさせられ、そしてすべてを押し流すような怒涛の混乱バイオレンス=カタルシス。聖女伝説のように始まった物語は、西部劇のハードボイルドでフレームから解放された。奇跡があろうとなかろうと、わたしたちはじゆう。

工作 黒金星と呼ばれた男 (’18 韓国/監督: ユン・ジョンビン)
もっと殺伐としたドライな雰囲気で通すのかと思ってたけど、ラストはほんのりと熱いというか厚い人情で締めくくられる。現実に即していえばもっとシビアな展開なんではと感じなくもなかったが、地に足の着いたキャスティングの良さで何となく納得させられる。真の愛国心とは何かという事について考えさせられる映画だったな。あと、主人公が北朝鮮の協力者に連れていかれる農村の惨状のリアルさに制作者の良心を見た。