マッドマックス 怒りのデス・ロード('15/オーストラリア 監督:ジョージ・ミラー)

シリーズ第3作は観ていないのだが、よくテレビ放映されていた第1、2作目とくらべると寓話性が高いために暴力描写にショック・アブソーバーがはたらいている感じが非常にスマート。とはいえ、妻子を殺され大義を見失いさまよう男、マックスのキャラクターとしての連続性が断たれたわけでもなく、その点もバランス感覚のよさを感じた。
生存環境の悪さからみてとるに、悪役イモータン・ジョーは独裁者ながら悪政を強いていたとまではいえない面もあって、五人の若妻たちの激しい反応ふくめて、人にとっての自由の価値をひたすら量りつづけるコンセプトが強く印象付けられる。