竜との舞踏3

竜との舞踏 (3) (氷と炎の歌 5)

竜との舞踏 (3) (氷と炎の歌 5)

終盤に至っても時間軸の目盛りがさほど進まなかったのはやや拍子抜けしたが、まるでシリーズ外伝といった風情で、物語に横の拡がりが加えられた印象のこの第5部だったわけだが、特に印象に残ったのはデナーリスの不安な心理が強調されていた各章で、このあたりは生身の女優が演じたドラマ版からのバックフローがあるいは影響したのかもと想像された。あと、ささいな点としては旧世代の騎士の回想箇所でレイガー王太子の肉声台詞が初めて記述されていたのが個人的に読んでいてテンションが上がった。サーセイ、シオンにクエンティンといい、総じて弱い面を多く持つキャラクターへの内面描写がたっぷり読めた事についてはかなり満足した。