梁塵秘抄

梁塵秘抄 (光文社古典新訳文庫)

梁塵秘抄 (光文社古典新訳文庫)

後白河法皇がのめりこんだ今様(いまよう。現代でいう歌謡曲全般)を後世まで残すためにと編纂した「梁塵秘抄」。その中からさらに選出し、現代演歌のニュアンスで意訳したのが本書。自分にはそのセンスはあまり好みではなかったし、そもそもの本歌をほとんど知らず(教科書に載っていたいくつかのみ)にそうとうに大胆にアレンジされた句を目にしたわけでやや混乱の感覚があった。これは本を選ぶ順序を間違えたということが大きい。とはいえ、当時の人々の言語センスが端的に味わえる今様の紹介として、また解説部分で知ることができる研究家における解釈の違いなど読み取れた部分も十分あった。