不連続の世界

不連続の世界

不連続の世界

主人公を同じくした連作短編集。日本の都市各地を舞台としており、その詳細さは作者が得意とするもの。今回もまるで自分が実際に旅をしているような空気感を楽しんだ。人間心理の不条理さを完全に突き放すでもなく、むしろその綾なす色合いを慈しむような適度に醒めた視点が一貫しており、さらりと読めて心地よい。