「七つの大罪」全24話視聴完了

最終話は敵との決戦をAパート早々に済ませて、たっぷりの尺を取って大団円としてのエピローグに割り振ってあり、未消化の伏線をキャラクターの掛け合いによって再確認させつつも、ひとつの大きな戦いを越えたという充実感に満たされた雰囲気となっていた。
主人公のメリオダスは当初、感情の在り処さえあやふやなキャラクターとして描かれていたが、段階を丁寧に踏むことによりラストバトルでは主役としての、場の感情の焦点レンズの役割をきっちりと果たしておりカタルシスはしっかりあった。なお、キャラクターの動機がブレがちに見えたり、来歴があえてボカされて後から少しずつ判明していくという手法は“世界は目に見えるものだけで成り立っているわけではない”というアクチュアリティが醸し出され、世界観のフロントルックスである王道中世風ファンタジーとの兼ね合いが滑らかにいったのが、この作品の毎週の安定感の胆。飛びぬけた新奇性はないものの、岡村天斎監督の名人の業が発揮されていたいぶし銀の作品だと思う。第二期の放映を待望。