2010年に発表された国内SF短編を選りすぐったアンソロ
ジー。編者のひとりである
大森望の弁通り、日本SF短編黄金期を証明するかのような粒ぞろいさではあったが、ふしぎとネームバリューのある作家のものほど、掲載されたことがやや不可解に思えるという… まあ日本SF文壇ではよくあることで。(偏見)それにしても
長谷敏司の「allo, toi, toi」の完成度は凄まじい。児童性愛者の脳と精神内で起こる反応を追いながらも、ウエットとドライを行ったりきたりする操縦振りにまさに並ならぬ力量と精神の剛性をみた。ほか、津原泰三と
小川一水の作品集は必ず今後読もうと思う。