電人ザボーガー('11/監督:井口 昇)

70年代テレビ特撮シリーズを成長した当時の視聴者に向けてリメイク。ザボーガーの工業製品めいた無骨な造型の頼もしさは変わらないのがうれしい。ストーリーと関係のないお色気シーンやストーリーと深く関係するエロチック描写もけっこうあるので、実質的にはR15相当だろうか。いずれにせよヒーローものながら完全に大人向けの映画である。しかも意外と大作だった! クライマックスの摩天楼アクションにハラハラ、ドキドキ!!
この映画でもっとも素晴らしい点は、ギャグ要素の強いプロット部分やアクション描写においても制作者や演者の照れが一切感じられないところ。「これでいいのだ」という自信のようなものがにじみ出ていて頼もしい。渡辺裕行ら刑事トリオが第二部で見せる大人の意地をブーストさせるシーンには、思わず胸が熱くなった(少しだけ)。青年期編主演の古原靖久にしても、現代的で爽やかなルックスと昭和的熱苦しい雰囲気が同居した俳優をよくぞ探しだしたと観ている間中ずっと感心していた。