「
ハイペリオン」シリーズの続編の間柄となるが、すでに基本設定のあらかたは忘れてしまっているものの、特に支障なく楽しめた。ただ、主人公の青年
エンディミオンと謎めいた“
時をかける少女”
アイネイアーが出会うまでがやや長すぎたような気もしたが、それは
エンディミオンの一人称サイドが自分の好みにはあまり合わなかったからかもしれない。この上巻を読み終わる頃にはそれも払拭されたが。ガジェットが「
千一夜物語」めいていて楽しげなのが特徴。空飛ぶカーペットとか! 一方、
スター・トレックのような雰囲気の
武装宗教軍団・パクスの側の描写もそれとメリハリが効いていて飽きさせない工夫が感じられる。