オリュンポス(下)

オリュンポス 下

オリュンポス 下

SFにはたぶん設定破綻が付き物…ということで巻末のややおせっかい気味な訳者によるツッコミもわりかし楽しめた(笑) まあ自分のように大雑把なSF者にとっては、世界のあらかたのなりたちが分かって、なおかつ大団円でストーリーが〆られたんだから文句はないです。時空の漂流者であるオデュッセウスが男を見せたというか最後まで凡人の理解の範疇を超えた存在であるのがかっこよかったり、海が二つに割れ続ける旧約聖書のエピソードからの引用といった派手で分かりやすいギミック(エッフェルバーン乗ってみたい!…いややっぱいいです)がバンバン活躍したりという荒唐無稽さをそうとは感じさせないギリギリのラインでまとめあげた、ぶっこみ叙事詩ぶりがとても楽しかったです。