スタジオ4℃が手がけた全12話構成の
OVAシリーズ。カット数の少なさは
FLASHアニメ調の省力スタイルかと一見見えるが、要所要所でフルアニメ(PV中の炎から歩み出るクラウザーII世)や
ロトスコープ(劇中映画の病室シーン)といった凝った手法が採用されているあたりにさりげないこだわりが。原作は未読だったのだけれど、第1話から
渋谷系ポップスに憧れていた青年が
デスメタルバンドに入る羽目になったその経緯が完全にすっとばされていた構成は効果を上げていると思った。全体を通して見えてくるのは、社会階級制度がある程度目に見えやすい本場ご当地とくらべて、日本がいかに牧歌的な生活の場であるかというそのギャップからくる可笑しみ。その点でもって
デスメタルへ傾倒する層と、それを遠巻きにして呆れる外野双方に
「FUCK」と同時に言い放つ付きぬけぶりがなかなかに捩れたパンキッシュさで面白い。描写として強烈なシーンは色々あったけど、警官の顔面をもろに鈍器で殴りつけるのを差し置き、楽屋でありえない行動を起こしているメンバーをきっちりアニメートしてたのがダントツでショックだった(笑) あと主題歌のサビ『SA・TSU・GA・I
SATSUGAIせよ〜♪』は段々自然と口ずさむようになってしまいちょっと困った。