戦う司書#24「真実と恋と第二封印書庫」

ハミュッツのチャコリーへの感情、そしてバントーラ図書館内部の異変。繋ぎ回なので、むしろ重要なのは前者の心情描写の方。もはや右腕として添い遂げる覚悟のマットアラストでさえ読めず、魂の色を見抜くミンスの眼にもちぐはぐな結果しかあらわれないハミュッツの心。そこにあるのは生への空虚さと、愛への渇望という相反する二つのものだった… ハミュッツも少女期の刷り込みによって、行動原理をつかむという案外に“普通”な人間。まさかの郵便配達夫フォトナの姿からも分かるように、武装司書もやはり人の子、根っこにあるのはごくごく平凡な動機(フォトナはただただ、人殺しの頭領を続けるのが嫌だったんだろう。そう考えるとミリタリー風ロングコートなんか着てわざとむすっとした顔してたのだとか想像されてほほえましい…)と穏やかな生活の憧れ。だけどハミュッツには、そもそも「普通の生活」が感情としてつかめなかったんだろう。彼女の“普通”は自分が体に叩き込まれた一つの目標を達成するための方便にしか過ぎない。マットはそこがほっとけないのかもね。エンリケのまっすぐなノロティ愛と比べるとやはりなんとも大人。さて、今回は作画がやや不安定。残り三話、なんとかここが底打ちとなってほしいところです。