単純な脳、複雑な「私」

単純な脳、複雑な「私」

単純な脳、複雑な「私」

高校生への講義を書籍化した体裁なので、やや語り口のくだけ具合に違和感を持ったものの、非理系読者へのアプローチとしては有効に働いている気がする。脳科学研究の最先端知識をかいつまんで説明してくれているので、読んだ後には必ずいくつかは印象に残る命題が。私は、人間の顔は片面に重点を置いて認識される(たとえばダ・ヴィンチの『モナリザ』は右側の顔を主に視るか左を視るかでがらっと印象が変わる)という話が特に。それに関連して、自分の顔を客観的に印象分析したい際には鏡を見るより左右反転される事のない写真を見た方がいいらしい。