神霊狩#22(終)

これまでの演出とくらべてやや心情面が過剰に思えるのは、少々尺が足りてないという事と落としどころがメンタルゆえに重々念を押す必要があったという感じかな。個人的には好みじゃなかったけど、そうなると第19話の叙情性がこの最終話への助走になっているきらいもある。まあ平たくいうと、ややベタな最終回で少し拍子抜けした印象は拭えない。あとエピローグは、すこし時間が経った後の落ち着いた水天町の様子とかを見たかったな。とはいえ、子供キャラの誰よりも自我が確立していたように思えた都が、実は一番もろさを隠し持っており救われるべき存在であったという隠しダマには感心させられました。目に見えにくいところに真実はいつもある。キャラクター全員が心に平安をほのかに灯す大団円。そして変装姿の太郎と鳳(露出度低くしてメガネやめた方が断然いい)は萌えすぎる。しかし鳳はスパイ雇用先に怒られたりしないのかなー… そうそう、スピリチュアルテーマ上では、瑞香が最後に太郎に残した言葉は結局はっきりしない、というより太郎自身が宙ぶらりんにしておくことを選択したわけで、あのあっさりしたやりとりの中に“よく分からないことは距離をおきつつ尊重する”という決着点を見たような気がする。さて総論としては、放映前に期待したもの概ねが脚本に詰め込まれており、そして演出との相乗効果により十分にプラスアルファが味わえた逸品でした。衛星デジタル放送ならではのクリアで多重的な音響特性もフルに活かされていた。