話数単位で選ぶ、2020年TVアニメ10選

■「話数単位で選ぶ、2020年TVアニメ10選」ルール
 ・2020年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
 ・1作品につき上限1話。
 ・順位は付けない。

aninadoさん、集計ありがとうございます。よろしくお願いします。

 

 

「歌舞伎町シャーロック」第24(最終)話『歌舞伎町で会おう』脚本:岸本 卓 絵コンテ・演出:松原健一 作監:式部美代子(他)

成人男性たちが自らの弱さをさらけだして、救えなかった“友”に別れを告げる。社会心理学でいうセルフケアの概念がアニメで出されてきたのが新鮮だった。

 

「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」第6話『CIRCLED 円環の世界』脚本:舞城王太郎 絵コンテ:久保田雄大 演出:久保田雄大、栗山貴行 作監:浅利歩惟、豆塚あす香

歪んだ連続凶悪犯たちが乗り込むノスタルジアトレイン。彼らの心のうちの閉塞ぶりがローカル鈍行列車の空気に合いすぎていて、地方民の自分には臨場感ありまくりだった。主人公が泣き声になる瞬間の津田健次郎氏の演技は圧巻。

 

ドロヘドロ」第11話『ザ・ボス/屋台で逢いましょう』脚本:瀬古浩司 絵コンテ:林祐一郎 演出:新井宣圭 作監:小松寛子、吉田駒未、山崎杏理

ラス前にぶっこまれたラブコメスラップスティックギャグのBパートは今年いちばん観返した。セリフの掛け合いも動作一つ一つも笑えすぎる。

 

「ソマリと森の神様」第6話『息の根はる花は鳥を仰ぐ』脚本:永井真吾 絵コンテ:安田賢司 演出:岩田義彦 作監:高木玲奈(他) 総作監:田中 穣、伊藤郁子

洞窟の背景美術の美しさ、そしてゲストのハーピー少女が清楚さと妖艶さを兼ね備えたデザインで素晴らしかった。そしてエピソードの落としどころの据わりの危うさ。

 

「BNA」第5話『Greedy Bears』脚本:うえのきみこ 絵コンテ:今石洋之 演出:総廣智行 作監:すしお

作画と時を同じうして急回転するヒロインのツッコミ力。くまのジャッキーを演じた藩めぐみには助演女優賞をあげたい。あと山田太郎グマの存在。

 

「啄木鳥探偵處」第10話『幾山河』脚本:岸本 卓 絵コンテ・演出:半田大貴 作監:山崎敦子(他) 総作監:原 修一

病に弱りつつある啄木が、さすがに来し方行く末をみつめはじめて帰郷する。車中シーンでBGMとして流れる古川慎の挿入歌が、朗々と新劇的でやけに印象に残り“近代日本文学の青春”という字句が浮かぶ回。

 

「NOBLESSE」第8話『フランケンシュタイン/First Contact』 脚本:ハラダサヤカ 絵コンテ:頂 真司 演出:原田奈奈 作監:山村直己、山岸正和 

ゴシックもアクションもBLもギャグもこなすよ!こなしすぎだよ!でも破綻してない不思議! …どうせ“フランケンシュタインの怪物”の方がモチーフなんでしょと高をくくってたらちゃんとフランケンシュタイン博士だったのにも感心した。舐めすぎか。

 

「禍つヴァールハイト -ZUERST-」第10話『Break Free』脚本:百瀬祐一郎 絵コンテ:小野竜太(他) 演出:新留俊哉 作監:Oh Eun soo(他)

こちらは脱獄にアクションにホラーに復讐劇に。津田健次郎キャラを使い倒していて「…無茶苦茶じゃねえか」ぶりで入り込ませる回だった。クライアントに自由にさせてもらえるオリジナルアニメの醍醐味。

 

おそ松さん 第三期」第10話『ZANSU/人狼脚本:松原 秀 絵コンテ・演出:山井紗也香 作監:渡邊葉瑠、和田佳純

特にテンポが優れていた回。AパートはSASUKEパロディ。F6の勢いで大衆の声援を受けるネタは今年のキメツフィーバーへの風刺を感じた。Bパートは人狼ゲーム。最初からネタを割ってきているあたり腰が据わっていた。

 

「体操ザムライ」第11(最終)話『体操ザムライ』脚本:村越 繁 絵コンテ:宇田鋼之介 演出:清水久敏(他) 作監吉田正幸(他) 総作監:本田敬一(他)

ラストの押しも押されぬプリンシパルとなったレオが跳躍する一瞬で、もう説明は要らない。過去はうしろへ押し流されていくけど、それでも未来へすべては繋がっている。