少女コゼット#47

「心の絆」:ジルノルマン邸の遠景カット、まるで銀座一等地の老舗百貨店みたい。こりゃあ、生まれのいい青年たちが貧困層にうしろめたさを感じてしまっても無理ないわ(…でもマリウスはそういう社会的衝動じゃなくてもっと個人的な成り行き-コゼットへの共感を示したいとか-であべせに参加してたとやっぱり思うけど)。それにしても祖父の孫息子への接し方はまさしく溺愛。それでいてコゼットとの仲のさりげない承認や革命行動の結末を見届けさせてやる決断もできるのだから、超人老年はここにもいたのだなと。というかこの人の顔や佇まいはまるでジオン歴戦の将軍みたいでちょっと浮いてる。おもしれー。でももっと最高なのはマリウス一流の自己中心思考が今回大爆発してたことだわ。看護役のメイドやコゼットに、聞かれる側の心の負荷をまったく斟酌せず、気持ちのおもむくままに仲間の去就を尋ねるわ、あげくに自分をコラント亭跡まで連れ出してくれとコゼットに頼むこむわ。ここまで相手の立場を考慮せずに無邪気にふるまえるなんてむしろうらやましいな。色んなものを生まれながらに持っている人種の特権だよ。名作劇場最強のヒロイン彼氏なんじゃないかこやつは。あと寝巻き姿でコゼットとの再会を喜ぶカットもいい味でてた。シャツドレスなの。そして圧巻だったのは、自分の心の中に浮かばせたアンジョルラスの幻影に「君には生き残った意味がある」と言わせているシーン。こんなしあわせな思考回路で私も生まれてきたかったー…!! んー、これはもしかして、マリウスにコゼットを守ってもらうんじゃなくて、姉気質なコゼット(ガヴと再会してからすっかりキャラに血が通った)にマリウスという被保護者が見つかった、そこに安堵すべきじゃないのか、ジャン・ヴァルジャン。……とかいいつつ、オチとしてのマリウスを軸とした亡き者との絆、共にいま生きている者との絆という同時双方向への表現演出にはふつうに感動したんですけどね。なんとかかんとか、どうにかコゼットを主役としているのにも成功してるし、ファンティーヌとの絆が今でもコゼットの中で生きていることが示されて、OPやEDの映像に変更が入らなかったことへのフォローにもなってるし。…次回、若い二人の愛は最高潮に。髪の毛サラッサラッでキックオフするマリコゼがたっぷり拝めそうな感じの予告カットでした。