「絶園のテンペスト」全25話視聴完了

要素あわせの意外性で勝負しているという印象のままで、その煮立ちが足りないまま終わってしまったのは残念。個々の回の演出レベルの高さ、前半における作画クオリティの安定度は見事だっただけに、後半のそれらの低調さが目立ってしまった。ひとつ、批評の焦点にあげるとすれば後半に新たに投入された羽村めぐむのキャラクターとしての存在意義の薄さだろう。感情をあらわにしない真広や吉野のカウンターとなって視聴者の共感を担うフォロー役を期待されていたのかと思いきや、単なるサブキャラのままで終わってしまった。彼をうまく使えば、名もないモブキャラクターたちの代弁者となって世界観の収束にも役目を果たせたと思うのだが。いっそ、1クールでミステリアスなままに終わってもらった方がよかった気がしたのは事実。2クール目もそれほどひどくつまらないわけではなかったが、1クールとの落差や断絶は、自分の許容範囲を微妙に超えていた。