Fate/ZERO

一つの街全体を舞台として、数十年に一度の魔術合戦が繰り広げられるという大前提となる設定。説明くさくせずに会話内で示す演出が、一人の新規参入者を二人の古参がぐるぐるとめぐり歩くシュールで絵ヅラで描かれる冒頭の印象が実に鮮烈。画策する同盟者たちとは別にごく個人的な感情や矜持でもって戦闘態勢へと導かれる他のキャラたちのあぶりだしぶりも自然で、ふしぎとほぼ全員の顔やキャラ名が覚えられてしまった。一時間という通常の倍の放映時間が企画された効果が最大限引き出されたとしても良いほどに、抑制と演出テクニックの効いた初回。ゲーム愛好の趣味はなくとも思いのほか安心して視られそう。