カブトボーグ#31,32

ここまで見てきた脚本家別雑感///大和屋暁:シリーズ構成者だけあって作品カラーを特徴付けるメタな手法が多く、ゲストキャラ造形が明快。下山健人:展開に若手らしい思い切りの良さがある。千葉克彦:ダイアローグの掛け合いが自然かつ好テンポ、ベテランの力でシリーズに厚みを与える。隅沢克之:オードソックスなプロットでホビーアニメの面目躍如。浦沢義雄:噛み合わない会話、唐突な展開で歪みまくる作品時空。シナリオで演出機能まで果たす鬼才の魔力で作品に深みを持たせる。結論///微妙に役割分担しているためか五人の間でほぼ優劣が出てないのが凄い。

王様は絶対制:だゥオウーって感じの岩崎征実の演技も相当に乙なもので、キャスト陣の連携というかアフレコ空気もかなり良かったんではないかと思わされるほど、本作のゲスト演技は堂に入ったものが多い。しかしこの回の超展開に継ぐ超展開の力技はすごい。大きなハプニングによりスケールの大きなハプニングをかぶせる手法なんだなと理解できる、超展開の一種の教本になっているようにも思う。ところで勝治の最終形態が神と仏が混じってる気がする件。

10で神童15でチャンプ、20過ぎればただの人:ルーム清掃が入ってるホテルの廊下で時間調整するあの空しさをこのアニメで追体験しようとはついぞ思わなかった。この回はすごいわ。ホビーアニメのタブー破りとしては一番かも。主人公が一瞬の気の抜きで世界大会準々決勝にて敗退。呆然としたまま帰国して街に着いたとたん泣き出すものの周囲に励まされて来年の挑戦へと気を持ち直すという…もし最後のフォローがなかったらと思うとゾッとしますよ。そこまではやらないところがかえってスタッフの矜持を感じさせて好感が持てた。あくまで娯楽作であり実験作には傾きすぎないという。しかし協会の大人は地味に嫌な奴らすぎる。ここにまた無駄(だけど無駄じゃない)リアリティ!