ブラスレイター#24(終)

動的な対決の後で静的な決着というザーギン対ジョセフ最終戦の趣向は良かった。ただ、ヘルマンとゲルトのジョセフへの加勢描写がまったく伏線なしだったのと、いわゆる“すまゆる”オールスターズ(ゲルトのモトカノと間男もいた…)にアマンダ感涙シーンの白々しさが浮いてるのが惜しい。思えば、このシリーズ常にこういったチグハグさがぬぐえなかった。もう一つ、スタッフ間の意思疎通が足りてない印象。聖書における黙示録をモチーフとして、神の存在や人生の理不尽への姿勢を問うたテーマ自体はかなり目新しさもあっただけに、これもまた惜しい作品だったなあと。しかし最後の最後によもやジョセフ主人公モードOPが来ようとは。驚いたけどなかなか感無量でした。…無力さとはかなさのままに退場する主役というのは、おそらく神の子キリストを文化シンボルに抱く欧米では虚構作品においてわりと一般的だと思うんだけど、日本においてはあまり馴染みがない。その意味では昏倒してたりふさぎこんでたりうなされてばかりの不幸体質なジョセフはそれなりに機能していたキャラだと思う。でも、それならそれで例えばアマンダをもっと明確にもう一人の視点主人公として定めておいた方がシリーズに締まりがついたんではないかとも。