ヱヴァンゲリヲン」は「エヴァンゲリオン劇場版」の直接的な続編であるという予想の中身を知った時は面白いと思いました。だって、小説媒体でたとえるなら終盤までの内容が9割方同じもの(しかも面倒なことにまるで間違い探しのようにこまかい描写がちょこまか変わっている)を新作面してもう一度発売するってことですよ。思い切った版元ならやるからもしれないけど、まず商品として成り立たないと思う。ところが、アニメでならば画面自体の様々なレイヤーにおいて意味付けが(制作者、鑑賞者の双方向で)為されるためにちゃんと企画として通るわけですよね。私は95年の右向け右、エヴァ向けエヴァな空気を嫌悪してたクチですが、12年経ってようやく素直に認めることができそうなのです。エヴァってすごいんだね。業界上の流れや時代の空気をきっちり読んでしっかり作品内に反映させてる。さて、先述の予想がもし的中しているとするならば、ミサトなどの一部の大人は現在の自分の人生がリプレイであることを意識しているってことなようで、それはかなりの生き地獄ですね。シンジには、すかっとした結末へと世界を導いてほしいものです。