2018年3月に読んだ本まとめ

誰がこれからのアニメをつくるのか?

中国資本の日本アニメ製作への参入時期など、気になっていたデータを端的に知ることができた。中国企業がお互いの牽制のために日本アニメに出資しているという観点も興味深かった。NETFLIXAMAZONなどの配信事業についての記述もこまかい。
百年の散歩
百年の散歩

百年の散歩

『あなた』との約束はほんとうに有り、そもそも現実に在る存在なのか? 章がすすむごとに輪郭がぼやけていきベルリンという街の歴史の霧にまぎれていく語り手の意思。境界線が常に更新される“都市”という路地の集約体。
僕の小規模なエッセイ
福満先生の文字書籍を読むのは初めて。漫画作品のテンポそのままの文体でそれだけで楽しい。女性や政治についてそこまで言ったら今の時代、損しない?という領域でも軽やかなステップで越えていくまさに独自の話芸になっていると思う。
アンチクリストの誕生
アンチクリストの誕生 (ちくま文庫)

アンチクリストの誕生 (ちくま文庫)

表題作は二転三転するプロットと比較するとオチのネタ明かしがやや弱い。しかし様々な時代を設定しながら、それぞれに空気感を立ち上げているこの表現力の広さよ。冒頭に置かれた革命時ロシアが舞台のタイムリミット劇『「主よ、われを憐れみたまえ」』が好き。