「縁側」の思想

「縁側」の思想

「縁側」の思想

テレ朝系『大改造!! 劇的ビフォーアフター』にも出演していた京都在住アメリカ人建築家による、大学時代に日本建築と触れてから大阪での研修、東京での就職を経て京都の貸家に落ち着いた半生記要素と古い建築物を文化として残し伝えることの意義を述べたエッセイ分とで構成された一冊。翻訳者の記名がないことからおそらく著者自身が日本語で綴ったと思われる、落ち着いて端正な文体が印象的。照明効果が意識された暖かみのある写真画像も多く入っていて、手に取りやすい編集仕事も好感が持ててこれはオススメの一冊。元々、町屋には興味があったけど明解な解説によって「玄関庭」「通り庭(土間の台所)」「奥庭」といった独特の機能の意味が理解できたのは今回の読書の何よりの収穫。