タイムマシンの殺人

タイムマシンの殺人 (ダーク・ファンタジー・コレクション)

タイムマシンの殺人 (ダーク・ファンタジー・コレクション)

書評家、アンソロジストなど複数の顔を持つ作家の短編集というのはここ一年でずいぶん読んだ。アメリカでは殊に多いんですかねえ。この叢書「ダークファンタジー・コレクション」を読むのは四冊目になるけど、訳文のテンポの良さという点はこの一冊がもっとも良かった。ユーモアファンタジーの味わいの作品が多く、なかでも卑屈さがかわいい小型悪魔が願いを叶えるような叶えないような「スナルバグ」と間の抜けた無害な人狼譚「たぐいなき人狼」が面白かった。