不思議の森のアリス

不思議の森のアリス (ダーク・ファンタジー・コレクション2)

不思議の森のアリス (ダーク・ファンタジー・コレクション2)

イデアも語り口もともに今読んでも目新しさはないけど、構成技巧には職人芸的なものが感じられる。そんな「ミステリーゾーン」系SF作家の短編集。『生き残りの手本』のドライなユーモア、『生存テスト』の日常に即した肉親内の緊迫感、『こおろぎ』に顕著なブラッドベリとも通じる感傷と不安の両立などが印象的。