ワルプルギスの夜。私もあやかって心に余力を図ろう。
『氷』三部作
- 作者: ウラジーミルソローキン,Vladimir Sorokin,松下隆志
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2015/09/28
- メディア: 単行本
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- 作者: ウラジーミルソローキン,松下隆志
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2015/01/23
- メディア: 単行本
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- 作者: ウラジーミルソローキン,Vladimir Sorokin,松下隆志
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2016/07/27
- メディア: 単行本
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20世紀の混乱のあとに訪れる21世紀の無気力でよりありふれた荒廃。どちらも客観的にみれば(地獄だな)と思わざるを得ず、淡々としたソローキンの描写には、単なる新興宗教-『兄弟団』はグローバルに強大な影響力を持つものの、オカルト能力についてはぎりぎり主観の範囲にとどまっているとも解釈できる-糾弾を超えた、人々の絶望の集積への鋭い考察が伺える。ヒトラーをより多く集団自殺に巻き込もうとした首謀者と捉えるブロのモノローグの箇所がその一例。人類の悲しみはやがて世界の存続の否定へと向かうのか? 結末までボリューム豊かなシーンの連続と鮮やかなカットの切り替えしで読んでいて飽きることがなかった。
残酷な神が支配する(全10巻)
- 作者: 萩尾望都
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/09/08
- メディア: Kindle版
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五日物語 3つの王国と3人の女('15 イタリア、フランス/監督:マッテオ・ガローネ)
おとぎ話の可憐さと酷薄さがギトギトにならない手前加減で詰まっていてとても好みな作品。海の怪物のあえての着ぐるみ感もけっしてちゃちではなく、かりそめの美女がふたたび皺に覆われた肌にもどっていくCG処理もエフェクトをやりすぎていない。
あらゆる人生において勝者と敗者の瞬間がそれぞれに訪れ、善意や愛情は報われるかどうかとは関係なく確かにそこに存在する。塔の上の綱渡りを満面の笑顔で眺める王女の晴れやかさと、ひっそりと泣きさる魔女の対比に単なる悲しさ以上のものを感じて、実際この身に沁みてつらいほどだった。