- 作者: ウラジーミルソローキン,Vladimir Sorokin,松下隆志
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
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- 作者: ウラジーミルソローキン,松下隆志
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- 作者: ウラジーミルソローキン,Vladimir Sorokin,松下隆志
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20世紀の混乱のあとに訪れる21世紀の無気力でよりありふれた荒廃。どちらも客観的にみれば(地獄だな)と思わざるを得ず、淡々としたソローキンの描写には、単なる新興宗教-『兄弟団』はグローバルに強大な影響力を持つものの、オカルト能力についてはぎりぎり主観の範囲にとどまっているとも解釈できる-糾弾を超えた、人々の絶望の集積への鋭い考察が伺える。ヒトラーをより多く集団自殺に巻き込もうとした首謀者と捉えるブロのモノローグの箇所がその一例。人類の悲しみはやがて世界の存続の否定へと向かうのか? 結末までボリューム豊かなシーンの連続と鮮やかなカットの切り替えしで読んでいて飽きることがなかった。